クラウドとオンプレミスの利用比率|日本企業の最新データ3つで読み解く【2026年版】

「クラウドとオンプレミス、今の日本企業はどちらをどれくらい使っているの?」——IT基盤の選定やクラウド移行の検討時に、業界全体の動向を知りたいというニーズが高まっています。

本記事では、日本企業のクラウドとオンプレミスの利用比率を最新データに基づいて分析し、業界別の傾向、クラウド回帰トレンド、そして2026年以降の見通しまで解説します。


日本企業のクラウド・オンプレミス利用比率(2025年時点)

総務省「通信利用動向調査」やIDC Japanの市場調査によると、2025年時点の日本企業のIT基盤利用状況は以下の通りです。

指標 数値
クラウドサービスを利用している企業 約77%
オンプレミスのみで運用している企業 約23%
ハイブリッド運用(両方利用) 約52%
クラウドのみ 約25%

ここで重要なのは、「クラウド利用企業77%」の中にハイブリッド運用が52%含まれている点です。つまり、過半数の企業がオンプレミスを併用しているのが実態です。

オンプレミスシステムの管理ダッシュボード|クラウドオンプレミス比率

データ①:業界別のオンプレミス利用率

業界によって、オンプレミスの利用率には大きな差があります。

業界 オンプレミス利用率 主な理由
金融 約85% FISC基準、データ規制
医療 約78% 医療情報ガイドライン
官公庁 約75% ISMAP、データ主権
製造 約70% 知財保護、工場LAN
通信 約65% 大規模インフラ運用
小売 約45% EC中心にクラウド移行
IT/Web 約30% クラウドネイティブ多い

金融・医療・官公庁はコンプライアンス要件からオンプレミス利用率が70%超と高く、IT/Web業界はクラウドネイティブな企業が多いため30%程度にとどまります。

関連記事:オンプレミスセキュリティ


データ②:企業規模別の比率

企業規模によっても、クラウドとオンプレミスのバランスは異なります。

企業規模 クラウド中心 ハイブリッド オンプレミス中心
大企業(1,000人以上) 15% 60% 25%
中堅企業(100〜999人) 30% 45% 25%
中小企業(100人未満) 50% 25% 25%

大企業はハイブリッド運用が60%と最も高く、セキュリティが求められるシステムはオンプレミス、それ以外はクラウドという使い分けが主流です。

中小企業はクラウド中心が50%で、IT人材や初期投資の制約からクラウドを選ぶケースが多いです。

関連記事:オンプレミスとクラウドの違い

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データ③:クラウド回帰(リパトリエーション)の動向

2024年以降、世界的に注目されているのが「クラウドリパトリエーション」——クラウドからオンプレミスへ一部のワークロードを戻す動きです。

クラウド回帰の3大理由

1. コスト高騰

クラウドの従量課金は便利ですが、データ量やトラフィックの増加により想定以上のコストがかかるケースが増えています。特にAIワークロードのGPU利用料は高額です。

2. データ主権・セキュリティ

地政学リスクの高まりにより、データの保管場所を自社で管理したいというニーズが強まっています。

3. パフォーマンス要件

リアルタイムAI推論など、低レイテンシーが求められる処理にはオンプレミスが有利です。

日本企業のクラウド回帰率

調査によると、過去3年間で約18%の日本企業がクラウドからオンプレミスへの一部回帰を実施しています。特に以下のワークロードが回帰対象になっています。

回帰対象 回帰率 理由
データベース 約25% コスト・性能
AI/ML処理 約22% GPU費用・データ管理
ファイルストレージ 約20% 大容量データのコスト
基幹系システム 約15% コンプライアンス
オンプレミスのRAG処理|クラウド回帰のAI活用

関連記事:オンプレミスとは


IT投資額の比率はどう変化している?

金額ベースで見ると、日本のIT投資におけるクラウドとオンプレミスの比率は以下のように推移しています。

年度 クラウド投資比率 オンプレミス投資比率
2020年 28% 72%
2022年 35% 65%
2024年 42% 58%
2025年 45% 55%
2027年(予測) 50% 50%

クラウド投資は着実に増加していますが、2027年時点でも50:50の予測であり、オンプレミスが完全になくなるわけではありません。むしろ、AI基盤としてのオンプレミス投資が新たに増加している傾向があります。


AI時代がオンプレミス比率に与える影響

2026年、生成AIの企業導入が急速に進む中で、オンプレミス比率に新たな変化が起きています。

オンプレミスAIの需要が急増

生成AIを業務に活用する際、社内の機密データをAIに学習・検索させる必要があります。しかし、クラウドAI(ChatGPT APIなど)にデータを送信することにセキュリティ上の懸念を持つ企業が多く、オンプレミスでAIを稼働させる需要が急増しています。

IDC Japanの予測では、2027年までに日本企業のAIワークロードの約40%がオンプレミスで実行される見通しです。

NVIDIA DGX Sparkの影響

2026年に本格展開が始まったNVIDIA DGX Sparkにより、コンパクトで低コストなオンプレミスGPU環境が構築可能になりました。これにより、中小企業でもオンプレミスAIが現実的な選択肢になっています。

GBase OnPremのモデル管理|オンプレミスAI比率向上

関連記事:生成AIオンプレミス|オンプレミスAIガイド


自社のクラウド・オンプレミス比率を見直すポイント

自社のIT基盤比率を最適化するために、以下の4つの視点で定期的に見直すことを推奨します。

1. コスト分析:クラウドの月額利用料を定期的に棚卸しし、年間500万円を超えるワークロードはオンプレミスへの移行を検討

2. セキュリティ要件:新たな規制やコンプライアンス要件に対応するため、機密データの保管場所を再評価

3. AI活用計画:生成AIの導入計画がある場合、データをどこで処理するかを事前に設計

4. 人材体制:オンプレミス運用に必要なIT人材の確保・育成計画を策定(マネージドサービスの活用も選択肢)

関連記事:社内AI|ナレッジベース


よくある質問(FAQ)

Q1. 日本のクラウド利用率は世界と比べて高いですか?

やや低いです。米国のクラウド利用率は約85%に対し、日本は約77%です。日本はセキュリティ意識が高く、オンプレミスの維持傾向が強いと言われています。

Q2. クラウドを全廃してオンプレミスに戻す企業はありますか?

完全な全廃は少ないですが、一部のワークロードをクラウドからオンプレミスに戻す「部分回帰」は増加傾向です。全廃ではなく、ハイブリッド化が現実的な選択です。

Q3. オンプレミスの比率は今後減り続けますか?

IT投資全体に占めるオンプレミスの割合は徐々に減少しますが、完全になくなることはないと予測されています。特にAI基盤やデータ主権の観点から、新規のオンプレミス投資も一定規模で続く見込みです。

Q4. 自社の最適なクラウド・オンプレミス比率を知るにはどうすれば?

ワークロードごとにセキュリティ要件・コスト・パフォーマンスを評価し、それぞれに最適な基盤を割り当てるのがベストプラクティスです。GBase OnPremの無料デモで、AI活用部分のオンプレミス化を体験できます。

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まとめ

日本企業のクラウドとオンプレミスの比率は、2025年時点でクラウド45:オンプレミス55(投資額ベース)と、まだオンプレミスがわずかに上回っています。

重要なポイントは以下の3つです:

  1. ハイブリッド運用が主流(過半数の企業が両方を利用)
  2. 業界により大きく異なる(金融85% vs IT/Web30%のオンプレミス率)
  3. AI時代にオンプレミス需要が再拡大(データセキュリティとGPUコストが要因)

自社のIT基盤戦略を検討する際は、業界平均だけでなく自社固有の要件を軸に最適なバランスを設計してください。

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